Deskferry 編集部

頼まなくても同期してほしい Mac のための MultiClip の代替

MultiClip はオープンソースの Mac 用メニューバーアプリで、同じ LAN の Mac 同士でコピーを求めに応じて共有します。項目を選んだときに初めて転送されます。それで合うなら使い続けてください。自動同期がほしいなら TandemClip か Deskferry を、1 台の Mac の履歴だけでよければ Maccy のようなアプリを検討してください。

MultiClip は、JoshFinlayAU が GitHub で公開し、Athena Networks が製品ページに載せているオープンソースの Mac 用メニューバーアプリで、同じローカルネットワーク上の Mac 同士でクリップボードを共有します。仕組みは配達ではなく申し出です。コピーすると、ほかの Mac には何かがあることだけが伝わり、あなたが選ぶまで何も転送されません。MultiClip の代替が必要かどうかは、この設計上の選択ひとつと、Mac にほかに何をさせたいかで決まります。Windows の MultiClip というプログラムを探していたなら、このページはそれについてではありません。

このページの MultiClip に関する情報は、GitHub の README と Athena Networks の製品ページから取ったもので、2026 年 9 月 30 日に確認しました。Deskferry は私たちが作っているアプリで、下の選択肢のひとつです。

MultiClip のクリップボードの仕組み

MultiClip を動かしている Mac はそれぞれ Bonjour サービスを公開し、探しに行くので、サーバーもアカウントもありません。各 Mac に同じ共有キーを入力します。README によれば、通信はすべてその秘密から導いた鍵で AES-GCM 暗号化され、鍵が違う Mac は参加できません。また MultiClip は同じ Apple ID に頼らないとあり、README はそれをこのアプリが存在する理由のすべてとしています。

コピーしたときに送られるのはメタデータだけです。プレビュー、サイズ、ファイルの一覧です。ほかの Mac からの項目は、メニューの From Other Devices の下に表示されます。README は、MultiClip がリモートのクリップボードに自動で書き込むことは決してないと明言しています。項目を選んで初めて、そのデータが取得され、あなたのクリップボードに置かれます。グローバルホットキー(既定は ⌘⌥V)を押すと、最新のリモート項目を取得して最前面のアプリにペーストします。

扱えるのはプレーンテキスト、リッチテキスト(RTF)、画像、ファイルで、ファイルは設定したサイズ上限まで送れます。ローカルのコピーは既定で直近 5 件、最大 50 件まで保存され、再起動後も残ります。Athena のページには macOS 13 以降と書かれ、プロジェクトはオープンソースと表示されています。

こういう使い方なら、Mac 版 MultiClip を使い続ける

ほしいときにコピーを取りに行くことが、面倒ではなく機能だと感じるなら、MultiClip を使い続けてください。知らないうちにクリップボードに何かが入ることはなく、キーを持つどの Mac も差し出しと取得ができます。すべての Mac が同じサブネットにあり、どこにも同じ共有キーを設定してかまわず、アプリを自分でビルドまたはインストールできるなら、すでに用は足りています。

README から実用上の注意が 2 つあります。ビルドスクリプトが作るのはアドホック署名のアプリで、README はほかの Mac で Gatekeeper に引っかからないよう Apple Developer ID で署名と公証をすることを勧めています。確認した時点でリポジトリに公開リリースはなかったので、Xcode でビルドするつもりでいてください。

MultiClip が合わないなら、どこを見るか

選ばなくてもコピーがほかの Mac に届いてほしいなら、ほしいのは取りに行く方式ではなく同期です。その側でいちばん近いのは TandemClip です。Mac 専用の LAN クリップボード同期で、ペアリングと暗号化された接続があり、各 Mac で共有される履歴もあります。TandemClip の代替ページで、TandemClip と Deskferry の違いを説明しています。

本当に足りないのが 1 台の Mac での長い履歴なら、問題は同期ではないかもしれません。その場合の定番は Maccy で、Clipbara(旧 PasteClip)はオープンソースのカード型の選択肢で、DMG 版と Homebrew 版は無料です。Maccy の代替ページでは、1 台の Mac の履歴で足りる場合と、2 台目の Mac で事情が変わる場合を説明しています。

承認した Mac のグループの中でひとりでに同期してほしい、さらに Finder のファイルと各 Mac の検索できる履歴もほしいなら、Deskferry を検討してください。Free プランでは管理者の Mac ともう 1 台の計 2 台です。

MultiClip と Deskferry の比較

どちらもコピーをローカルネットワークの中にとどめ、各 Mac で同じ Apple ID を必要としません。違うのは、Mac がどう参加するかと、コピーがひとりでに届くかどうかです。

違いMultiClipDeskferry
参加方法すべての Mac に同じ共有キーを入力管理者が Add Mac を選び、もう一方の Mac が Join a Group を選んで 6 桁のコードを入力し、管理者が承認
コピーの届き方ほかの Mac には申し出が見え、選ぶかホットキーを押したときにデータが移る新しいコピーがグループ内のほかの Mac でペーストできる状態になる
送れるものプレーンテキスト、リッチテキスト、画像、設定した上限までのファイルFree:テキスト、リンク、画像。Finder のファイルは管理者の Pro か Max、フォルダは Max が必要
Mac の台数README に台数の記載はないFree:管理者の Mac ともう 1 台。3 台目には管理者の Pro か Max が必要
履歴ローカルのコピーを既定で直近 5 件、最大 50 件各 Mac に検索できる履歴。Free は最新 20 件を完全に開ける
ネットワーク同じサブネットのみ、Bonjour で検出グループのメンバー間のローカルネットワーク、Deskferry のクラウドリレーなし
macOS13 以降14 以降、メニューバーアプリ

Deskferry に乗り換えると手放すもの

Deskferry には Mac をまたいだ共有履歴ライブラリがありません。各 Mac が自分の履歴を持ち、ほかの Mac が以前コピーしたものを閲覧することはできません。MultiClip の From Other Devices の一覧もまとまった履歴ライブラリではありませんが、ほかの Mac が差し出した項目の中から選ぶことはできます。Deskferry では、もう一方の Mac に届くのはいまコピーしたものです。同じ Apple ID でサインインした Mac の間でひとつにまとまった履歴がほしいなら、ClipBob の代替ページでその方法を扱っています。

共有キーひとつで済む手軽な設定も手放すことになります。Deskferry では参加する Mac ごとに管理者が承認するので、グループに誰が入るかを決めるのはひとりです。Free プランでは管理者がもう 1 台の Mac を追加できます。3 台以上のグループには管理者の Pro か Max が必要で、Finder のファイルも同じです。ペアリングの手順は Apple ID が違う Mac を同期するガイドにあります。

Apple 自身の機能は、どちらのアプリとも競合せず並んで使えます。Universal Clipboard は、同じ Apple Account で Handoff を有効にしたデバイス間で、最後のコピーを渡します。AirDrop は Mac 間でファイルを送り、受け取り側が「連絡先のみ」か「全員(10分間)」なら別々の Apple Account の Mac にも届きますが、転送のたびに受け取り側の Mac で受け入れが要り、クリップボードには何もしません。Deskferry が合いそうなら、現在の提供状況はダウンロードページ、プランは料金ページで確認してください。

公式の参考資料

Apple の機能資料は 2026 年 9 月 16 日に確認しました。Deskferry は Apple とは独立したソフトウェアです。

よくある質問

よくある質問への回答

これは Windows の MultiClip ですか?

いいえ。このページは Mac 版 MultiClip、つまり GitHub の JoshFinlayAU のもとで公開されている、ローカルネットワーク上の Mac 同士でクリップボードを共有するオープンソースのメニューバーアプリについてです。ほかのプラットフォームの同名アプリは別の製品です。

MultiClip のクリップボードは自動で同期しますか?

しません。意図的な設計です。コピーすると、ほかの Mac はプレビューとメタデータを受け取ります。README によれば MultiClip はリモートのクリップボードに自動で書き込むことはなく、項目を選ぶか、ホットキーで最新の項目を取ったときに初めてデータが移ります。

MultiClip の Mac の動作要件は?

Athena Networks のページには macOS 13 以降とあります。README では Xcode 15 以降でアプリをビルドし、すべての Mac が同じサブネットにあって、ローカルネットワークへのアクセスを許可している必要があります。

MultiClip と Deskferry、どちらを使うべき?

コピーを 1 件ずつ自分で選びたい、すべての Mac で同じ共有キーを使いたい、そしてすべての Mac が同じサブネットにあるなら MultiClip を。管理者が承認したグループの中で新しいコピーがひとりでに同期してほしい、あるいは Finder のファイルや各 Mac の検索できる履歴が必要なら Deskferry を。Free プランの Deskferry は、管理者の Mac ともう 1 台をつなぎます。

Deskferry に共有キーは必要?

必要ありません。管理者が Add Mac を選び、参加する Mac が 6 桁のコードを入力して、管理者が承認します。どちらのアプリも、各 Mac で同じ Apple ID を必要としません。

Deskferry で、別の Mac でコピーしたものを見られる?

見られません。Deskferry には Mac 間の共有履歴がありません。各 Mac が自分の履歴を持ち、Free プランでは最新 20 件を完全に開けます。

Deskferry で 3 台以上の Mac をつなげる?

つなげます。ただし管理者が Pro か Max である必要があります。Free プランでは管理者がもう 1 台の Mac を追加できるので、合計 2 台です。

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ClipBobの代替が要るかどうかは、動作要件から考える

ClipBobはiCloud経由でMac間のクリップボード履歴を統合します。ただしApple SiliconのmacOS 26で、同じApple IDであることが前提。当てはまるなら、そのままで。iPhoneにも履歴が欲しいならPasteのようなデバイス横断型を。Apple IDが別々、あるいはFinderのファイルをネットワークで渡したいなら、履歴を各Macに残すDeskferryを。

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次の一歩は、シンプルに。

別の Mac で続きを進める。ファイルを渡す。前にコピーした内容を見つける。

macOS 14 以降 · 履歴は 1 台で利用可能 · 同期には相互に到達可能な LAN が必要